2012年9月15日土曜日

一万年も変わらぬ暮らし。「ハッザ族」


「弓矢」片手に一万年。

タンザニア(アフリカ)に暮らす「ハッザ族」は、そうやって大自然の中を生き抜いてきた。



キリン(またはインパラ)の「靭帯」を弦にして作ったという彼らの弓矢は、大きな動物(シマウマ・水牛・猪など)から小さな動物(鳥やリス)まで、何でも倒す。

その矢には「毒」が塗られており、獲物は矢が刺さったからというよりは、その毒で死ぬことが多いようだ。

※この毒は「砂漠のバラ」という別名を持つ潅木・アデニウムの樹液を煮詰めて作られる。


2012年9月13日木曜日

世界に広がる「日本のコメ」。田牧一郎氏の開拓魂。


飛行機で水田にタネをまく。

アメリカの米作りは、そんな壮大なものだった。

「すごいな…、とことん平らで、とにかく広い」



今から23年前の1989年、当時36歳だった田牧一郎氏は、小さな日本の田んぼを蹴って、まさに大海原へと飛び出した。

アメリカ、カリフォルニア州、ここの80ヘクタールという広大な田んぼで米をつくる(日本の水田平均の40倍)。それは心躍るチャレンジであった。

「世界に通用する米作りをしたい」。そんな希望に胸が高鳴っていた。


2012年9月12日水曜日

夜明けきらぬ「イエメン」。銃をもつ男たちの国


「カートは蜂蜜よりもありがたいね。食事は我慢できても、これを噛むのはやめられないよ」

ワシ鼻のアル・コラニは、カートを口いっぱいに頬張りながらニヤリと笑った。「カート」というのは麻薬であり、その若葉の汁が覚醒作用をもたらす(和名:アラビア・チャノキ)。つまり、この葉っぱを噛めば、アル・コラニのように「幸せ」になれるのだ。彼の荒れた手はカートの葉っぱで緑色に染まっている。

「一回噛んだら、3日はバッチリ目が冴えてるよ」



ここは「イエメン」。アラビア半島の底に位置するイスラム教の国である。イスラム世界のほとんどの国々がカートを非合法とする中、この国ではカートが合法とされており、国民の4割、およそ1000万人が一日4時間以上カートを噛んでいるという調査結果がある。

麻薬といえども、カートの効果・毒性は非常に低いものであり、日常的に酒やコーヒーなどを飲んでいる人には、ほとんど効かないとも言われている。そのため、日本でも規制の対象とはなっていない(先進国の多くでは非合法とされているが…)。


2012年9月10日月曜日

民主主義国の船底にはりついたフジツボ。寛大すぎた国民たち


「フジツボに覆われた船」

民主主義国家を、そう称した人がいる。もちろん、褒め言葉ではない。



「フジツボ」というのは数ミリ~数センチ程度の小さな貝のような生物(分類的には甲殻類)であるが、これらが密集して船底に張り付かれると厄介だ。船の速度は遅くなり、燃費は落ちる。

かつての日露戦争の折に、延々と海上でロシア艦隊を待ち受けていた日本海軍は、その船底にフジツボが付くことを非常に気にしていたという。なぜなら、軍艦らの速度低下は、そのまま戦力の低下に直結していたからである。



今の民主主義国という船は、「その底をフジツボに覆われ、その重みに耐えかねて沈みかけている」と、英国エコノミスト誌は書いている。

彼らがフジツボとたとえるのは、国家の債務(借金)のことである。


2012年9月4日火曜日

今なお「バベルの塔」の高くなり続けるような現代文明。何千年も変わることのない人間の欲望が…。


「バベルの塔」というのは、人間の「傲慢(ごうまん)さ」の象徴だというのだが…。




聖書の記述に従うのならば、世界に「無数の言語」が生まれたのは、この「バベルの塔」が起因となっている。

バベルの塔「以前」、世界中の民は皆「同じ言語」を用いていたとされている。彼らは「ただ一つの民族」でもあったのだ(民は一にして皆一の言語を用ふ)。

ところが、バベルの塔「以後」、世界の民は分裂し、それぞれの言語を話すようになり、互いの言葉が通じ合わなくなったとされている。



それゆえ、「バベル」という単語は、「混乱」を意味するようになったのだという。

※一説によれば、バベルという単語(ヘブライ語)は、もともと「バブバブ(赤ちゃん語)」のように意味のない言葉(喃語)であったとも。バブーの塔?