2012年7月24日火曜日

大きいことは良いことか? 拡大の末のローマ帝国


アメリカの国会議事堂は、なぜあのような形をしているのであろうか。まるで、「ギリシャ」か「ローマ」ではないか。

それもそのはず、その建築様式は「新古典主義」として知られるもので、古き良き古代ギリシャ・ローマ時代を懐かしむものであったからだ。

当時のアメリカは「新しい国家」であり、その範を民主主義の入り口たる古代ギリシャ(アテネ)に求めたのである。




その新古典主義という思想が世に出るのは、「ポンペイ」という街が発掘されたことに端を発する。

ポンペイという街は、今から2000年近く前に、火山灰の下に埋れてしまった街である。


2012年7月22日日曜日

無知のヴェールの中で想う「富の格差」


日本の「お金持ち」は、どれほどお金持ちなのか?

ある統計によれば、日本の富裕層「上位1%」で、日本のすべての富の「20%」を占めるそうだ。



それでは、アメリカは?

アメリカは富裕層上位1%が、アメリカの富の「40%」を占める(日本の2倍の割合)。



昨年(2011)の9月にアメリカで起こった「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall
street)という運動は、こうした「富の格差」に抗議するものであった。

その参加者たちは自らをこう定義した。「私たちは残りの99%だ(We are the 99%)」。


「遅さ」の美学。テレマーク・スキー


「『速く滑ること』は良いことだけど、『遅く滑ること』ができないとスキーの醍醐味の多くを味わえないんだよ」

アルペンスキーの本場「オーストリア」でスキーを仕込まれた「ドニー」は、スキーの先生にこう教えられてきたのだという。



ある技術を習得すると、決まってこう言われる。

「ドニー、とてもいいよ。じゃあ、もっと遅くやってみようか」

「いつもスピードを優先させてやると、スキーで学ぶべきことを見逃してしまう」というのが、そのオーストリア教師の持論でもあったようだ。


2012年7月21日土曜日

砂漠の足跡を読む老人


その昔、「砂漠」に残された「足跡」を正確に見分けられる一族がいた。

「足跡が読める」という彼らは、砂漠の砂上にかすかに残された痕跡から、牛の草なども探し当てることができたのだという。



インドの王様は、アフガニスタンに暮らしていた彼らをたいそう気に入ってしまい、大金を払って彼らを仕えさえ、ついには二度と故郷に帰すことがなかったほど彼らを愛したと伝わる。

「パーギー」と呼ばれるのは、その「足跡を読む人々」への尊称である。

誰にでもできるわけではないその仕事は「賢人の仕事」とされ、医者であるナーリー、裁く人であるニャオ、王のために歌う人であるラーギーなどと並び称されたのだという。

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大国の波間に漂うキプロス


不思議なことに、「キプロス」という国はこの地球上に2つある。キプロスという「島」は一つしかないにも関わらず…。

キプロス島という島は、地中海では3番目に大きな島といえども、その面積は「四国の半分」しかない。つまり、島としては大きいが、国としては小さい。そして、その島の上に住む国家が南北に分かれたことにより、さらに小さくなってしまっている。

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金と魔術のタンザニア


タンザニアという国は、かつてそれほど「金」の採れる国ではなかった。10年以上前の数字を見ると年間10トンにも満たない。

ところが2000年以降、その伸びたるや目覚ましい。倍々ゲームで金が積み上がり、一気に年間40トン、一時は50トンをも超えるほどになった。現在、タンザニアはアフリカ第3位の堂々たる金産出国である(1位・南アフリカ、2位・ガーナ)。



金増産の最大の牽引役は外国企業。カナダ、オーストラリア、南アフリカなどの大手企業の参入とともに、タンザニアは「黄金の国」となったのである。

この金バブルは、タンザニアのGDP(国内総生産)をここ10年で2倍にも急増させ、「アフリカの優等生」の名に恥じぬグローバル化を同国にもたらすこととなった。

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2012年7月14日土曜日

未来とは戦わない。アマゾンCEO「ジェフ・ベゾス」


その男は「声がデカく、笑い声はもっとデカかった」。

彼はもともと、2万5000エーカー(東京ドーム20個分以上)という広大なテキサスの牧場育ち。「なんとも豪快で開けっぴろげなアメリカン」なのである。

彼の名は「ジェフ・ベゾス」、かの世界企業「アマゾン」の創業者にして、最高経営責任者(CEO)である。



◎そのシンプルさ


彼にアマゾンという社名の由来を聞けば、こう答える。「アマゾン川が世界最大・世界一であること。読みやすいし書きやすいこと。そして、Aで始まること。あはははは」

とてもシンプルであり、とても力強い。そして、不思議と説得力がある。この社名と同様、その戦略もシンプルだ。

「価格・便利さ・セレクション(品揃え)」、これら3点に尽きる。



ベゾス氏は、「自分は『決して変わらない顧客のニーズ』に焦点を合わせている」と語る。

「今から10年後に、顧客がまだ『低価格』を求めていること、まだ『迅速な配送』を求めていること、まだ『セレクション』を求めていることを、私は事実として分かっている」

Source: wired.jp via Hideyuki on Pinterest


2012年7月10日火曜日

ナイジェリアの血(石油)


「石油を売れる商品にするためには、『石油と水』を分離して混ざらないようにしなければなりません。

水には価値がありませんが、石油は高価です。水の混入を最小限に抑えたものを世界中に送り出すのです」



ここは、アフリカ・ナイジェリア沖合いのギニア湾洋上。この海には巨大な海底石油の掘削施設「FPSO(浮体式・海洋石油ガス・生産貯蔵積出設備)」が浮かぶ。

この「アクポ油田」が海底数千mから掘り出す石油は「コンデンセート」と呼ばれるもので、比重が小さく粘り気の少ない上質なモノである。その上物でも、「石油と水」をキチンと分離しなくては売りモノにならないと、その責任者は言うのである。