2012年6月30日土曜日

「実」に生きるダチョウ


「ダチョウ」は飛べない。

飛ぶ必要がなかった環境ゆえに、その羽は小さく退化した。



飛べない羽とはいえ、彼らは様々なシーンでその羽を広げる。

それは「戦い」の場であったり、「恋愛」の場であったり…。


妊娠中絶の是非(アメリカ)


「『中絶』は殺人か否か?」

これはアメリカの大統領選挙が迫ると決まって取り沙汰される「問い」である。



中絶賛成派は「プロ・チョイス(pro-choice)」と呼ばれ、「選択(choice)の自由」を主張する。かたや中絶反対派は「プロ・ライフ(pro-life)」と呼ばれ、「生命(life)の重要性」を強調する。

大雑把に分けてしまえば、アメリカの二大政党である民主党(オバマ大統領)は「プロ・チョイス(中絶賛成)」であり、もう一方の共和党は「プロ・ライフ(中絶反対)」である。

※「pro-(プロ)」という接頭語は「~に賛成・~びいき」という嗜好性を表す。その反意は「anti-(アンチ)」。



2012年6月26日火曜日

景気後退により減少した食品廃棄


イギリスの食が変わるつつあるのだとか。

以下、英国エコノミスト誌の記事「Eating and recession (食事と景気後退)」より。



◎景気後退(リセッション)による食品価格の高騰

アメリカ発のリーマンショック(2008)、ギリシャ発のユーロ危機(2009~)などなど、ここ4~5年の一連の金融騒動により、イギリスは正式に「景気後退入り」してしまった。

経済学者たちの言う「景気後退」とは、「2四半期連続してGDPが減少すること」、つまり、「およそ半年間、経済成長のマイナスが続くこと」である。イギリスは昨年第4四半期(10~12月期)にマイナス0.3%、今年第1四半期(1~3月期)にマイナス0.2%、といった具合にマイナス成長が続いているのである。



ユーロ圏でリセッション(景気後退)入りした国は、すでに8カ国(スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャ…)。ユーロ圏全体では、ドイツの孤軍奮闘により辛うじてプラス成長であるものの、そのプラスは1%にも満たないほど弱々しいものである。

イギリスの財とサービスの輸出の30~40%が「ユーロ圏」向けであるため、ユーロ圏の外側に立つはずのイギリスとて、その寒風を避けることはおおよそ不可能であった。

こうした不況のあおりを受けて、イギリスにおける食品の小売り価格は25%も急騰(2008年比)。家計に占める飲食費の割合いは、70数年ぶりに上昇に転じている。その結果、イギリス家庭の食卓も変化せざるをえなかった。


2012年6月23日土曜日

何も持たないブータンの「わらしべ長者」


昔々あるところに、「ヘレー」という陽気なお爺さんがおりました。

ある時、山仕事をしていたヘレー爺さんは木の根っこの下から、それはそれは立派な「トルコ石」を掘り出しました。

Source: irocks.com via Hideyuki on Pinterest



そのトルコ石を持って村に戻ってきたヘレー爺さん、村の人に声をかけられ、そのトルコ石を「馬」一頭と交換しました。さらに、へレー爺さんは馬を「牛」に、牛を「羊」に、羊を「ニワトリ」へ、次々と交換していきます。



ニワトリを抱えたへレー爺さん、さらに歩いていると、遠くの方からとても美しい「歌声」が聞こえてきます。その歌声に惚れ惚れしたへレー爺さんは、こう言います。

「その歌を教えてくれんか。このニワトリをやるから」と。

ニワトリと「歌」を交換したへレー爺さん、手元には何もなくなりました。それでもへレー爺さんは「幸せ」です。その歌を歌えば、村の人みんなが喜んでくれるのですから。


石油は有限。サウジアラビアの石油でさえも。


石油の湧く国「サウジアラビア」があと30年もせずに石油の「純輸入国(a net importer)」になることなど信じられるだろうか。

その可能性は低いのかもしれないが、英国エコノミスト誌は今週の記事(Oil prices: Keeping it to themselve)にこう書いている。

「現在の傾向が続けば、サウジアラビアは2038年までに石油の純輸入国になる計算である(On current trends the kingdom would become a net importer of oil by 2038)」



ここ10年(2000~2010)で、石油の消費が世界一伸びたのは他ならぬ「中国」だ。同国はこの10年の間に、その消費を90%以上増加させている。

中国の大量消費は想像通りであるかもしれないが、ここで意外なのは、2番手につけたのが「サウジアラビア」だということであろう。

21世紀に入ってから、サウジアラビアの石油消費は80%近く増大している。これは世界第2位の凄まじい増加量である(ちなみに欧米地域は減少傾向)。

※中国の増加量は日量430万バレル。サウジアラビアは120万バレル。1バレル(樽の意)は約160リットル。ちなみにドラム缶一本は200リットル。


2012年6月22日金曜日

サヘル地帯を襲う大干ばつ(アフリカ)


先進国は「肥満」にあえぎ、途上国では「飢餓」に苦しむ。

一方の端では、食べたくなくても食べ過ぎ、もう一方の端では、どんなに食べたくとも食べられない…。

地域によってその気候が違うとはいえ、その隔たりは国という垣根によって、さらに溝を深まってしまっているようである。



◎先進国の「肥満」


先進国「アメリカ」では、子供たちが「超肥満」化しているという。

健康的な体重を50%も上回るという超肥満は、年々「低年齢化」が進み、「高齢者の疾患が、20代で出てきたりする」までに。あまりにも豊かな食生活は、あまりにも不幸な結末を迎えることともなりかねない勢いだ。



物語多き豪華客船「タイタニック」とその姉妹


豪華客船「タイタニック」は「ひとりっ子」ではなかった。

上に姉、下に妹をもつ「三姉妹」のうちの一人であった。

今ではタイタニックの名前ばかりが歴史に残ったわけだが、当時はむしろ姉の「オリンピック」の方が目立っており、その妹のタイタニックはむしろ控え目な存在だったのだという。

※オリンピックとタイタニックはほぼ同時に造られており、その見かけは双子のように瓜二つであった。それに対して、末妹の「ブリタニック」だけが建造場所の都合から少し後に造られたため、二人の姉から改良された部分も多かった。




これら三姉妹には「姉妹」という慎ましやさはなく、「三女神」と呼んだ方がシックリくるほどにいずれも壮麗豪華で巨大な客船であった。

その巨大さは「ニューヨークの摩天楼よりも巨大」であった(全長270m)。

Source: google.com via Somers on Pinterest


2012年6月21日木曜日

人間のDNAは「火星」からやって来たのか?


宇宙空間広しと言えども、「火星」ほどに人間味のある星はないだろう。

「火星人」を夢想した人類は、さまざまなストーリーをこの星に見い出してきたのであるから。



今から130年以上も前、1877年に火星が地球に大接近した時、当時の望遠鏡でもその表面の模様までがよく見えた。

※地球の公転スピード(365日)は火星のそれ(687日)の2倍近くあるため、およそ2年に一回、地球は火星を追い越して行く。その追い越す時こそ、火星が地球に大接近する時であり、その時には火星が7倍にも巨大に見える(最遠時比較)。



その時に見えた火星の縞模様をスキアパレッリは「溝(Canali:イタリア語)」と記した。

ところが、その自然造形を意味したであろう「溝(Canali)」は、英語の「運河(Canal)」と酷似していたため、早トチリな人々はそれが火星人の造った「人工の運河」であると囃し立てた。

しかも、その運河はとてつもなく巨大である。万里の長城どころの比ではない。星全体を縦横無尽に駆け巡っているのである。

「火星人はなんと進んだ文明を持つことよ…」


2012年6月19日火曜日

宇宙の一匹狼「マゼラン星雲」


今から500年ほど前、世界一周を成さんとした男がいた。

「マゼラン」である。



1519年にスペインを出たマゼランは、ブラジルで裸の人食い族、パタゴニアで巨人族と出会いながら、南アメリカ大陸から太平洋へと抜け出る海峡を発見。

その海峡を抜けた先にあったのは大海原(太平洋)。マゼランは「喜びのあまり、はらはらと涙を流す」。

※のちのマゼラン海峡。



広大な太平洋の航海は3ヶ月を超えた。

新鮮な食は尽き、残されたのは虫に食い荒らされた乾パンばかり。水も黄色く腐り、オガ屑ですら口に入れた。



そして、ようやく辿り着くのがフィリピン。しかし悲しいかな、ここがマゼラン終焉の地となってしまう。

キリスト教の布教に熱の入り過ぎたマゼランは、猛反発した原住民の竹ヤリの餌食となってしまったのだ。


2012年6月18日月曜日

イギリスであってイギリスでない「スコットランド」


「独立」という甘美な響きは「スコットランド」をホロ酔いにさせているのかもしれない。

スコットランドは「イギリス」から独立して、新たな国家となる道を国民に問おうとしている。



イギリスは「連邦国家(United Kingdom)」、すなわち複数の国々の集まりであり、イギリスを構成するのは「イングランド」「ウェールズ」「スコットランド」「北アイルランド」である。

これら4ヶ国はお互いに争いながら、現在我々の知るイギリスに落ち着いた歴史を持つ。


2012年6月17日日曜日

遺伝子がDNAに存在することに気づいた「オズワルド・エイブリー」


ネズミ。

研究所の暗い廊下を行き来する年老いたネズミのような影。

その影が「オズワルド・エイブリー」であった。



そんな彼こそが、遺伝子は「DNA」にあることを初めて世に示した人物である。

彼が研究を始めたのは36歳の頃であり、研究者としては「かなり遅いスタート」であったのに加え、遺伝子の本体がDNAにあると見極めた時には60歳を過ぎていた。

生涯にわたって小さなアパートと研究所を規則正しく行き来していたというエイブリーは、外出嫌いであり、研究所のあったニューヨークから外に出たことはほとんどなかったという。

※「」内は著書「生物と無生物のあいだ(福岡伸一)」からの抜粋。以下同。




DNAの2重ラセンの撮影に成功した「ロザリンド・フランクリン」


「ダーク・レディー」

「暗い女性研究者」と呼ばれていた「ロザリンド・フランクリン」。

しかし、そう呼んだのは彼女と慢性的な「冷戦関係」にあったボスである。それゆえ、本当に彼女が陰湿であったかどうかは定かではない。




いや、むしろ「優秀すぎた」のであろう。

幼少の頃から「最高の教育」を受けた彼女は、名門ケンブリッジ大学に難なく進学。成績は常にトップクラスで博士号を修得。

その後、ロンドン大学(キングズ・カレッジ)の研究所に入る彼女であるが、この研究所のボス「ウィルキンズ」と馬が合わず、「事あるごとに衝突していた」。



曖昧さや一切の妥協を許さないフランクリンに、ホトホト手を焼いたボス・ウィルキンズ。それゆえ、陰で彼女を「ダーク・レディー(暗い女性研究者)」と呼んだのだ。

フランクリンはフランクリンで、ウィルキンズがいつもボス面をするのが気に入らない。彼女には自身が「独立した研究者」だという自負があったのだ。何よりも彼女の専門とした「X線結晶学」にトンと疎(うと)いのがウィルキンズだったのだ。


2012年6月16日土曜日

食糧危機が加速させた世界の「農地争い」


ヨーロッパとロシアの狭間に位置する「ウクライナ」という国家は、ポーランド王国の支配下に置かれた16世紀以来、「ヨーロッパの穀倉地帯」とされてきた。

ウクライナの国土のほとんどは、平原や草原、高原といった比較的ゆるやかな地形であり、山脈というほどの山脈は少ない(最高峰ですら2000m程度)。

また、国土のほぼ中央を両断して黒海へと注ぐドニエプル川、ルーマニアの国境ともなっているドナウ川のデルタ地帯など、肥沃な大地の生まれる条件が十分にそろっている。



しかしながら、ウクライナが1922年にソビエト連邦の一員となってからは、不幸な出来事が相次いだ。

まずは、ソ連による稚拙な「農業の集団化」政策が、ウクライナに2度の大飢饉を引き起こし、400万から1000万もの人々が亡くなっている(1932年の大飢饉は、ジェノサイドであると正式認定された)。



肥沃な大地を有しているはずのウクライナではあったが、ソ連邦時代の農民たちは収穫の大部分を搾取され続け、1970年代までは社会保障すら受けられずにいたのである。

そして、悪名高きチェルノブイリの原発事故(1986)。30年以上たってなお、この傷跡は未だ癒えることがないのは周知のことであろう。


自然の流れに抗い続けるからこその「生命体」


こんな問いがなされた。

「人間の身体はなぜこんなに大きいのか?」



この問いを発したのは物理学者の「シュレーディンガー」。

物理学者というのは、一般人がまったく疑問に思わないようなことを平気で疑問に思うものなのか?

しかしそれでも、この問いに関する考察は一般人にも十分興味深い。


2012年6月15日金曜日

奇跡のためのクレイジー。進化する次世代原発。


「今必要なのは、『奇跡のエネルギー』を創り出すことです」

Microsoftの「ビル・ゲイツ」氏は、TEDのステージでそう語った。

現在用いられているエネルギーのほぼすべてが「再生不可能」であり、CO2や放射能などの問題も無視できない。だからこそ、「奇跡のエネルギー」が必要なのだという。




彼は続ける。「奇跡は不可能ではありません」。

「マイクロ・プロセッサは『奇跡』です。パソコンも『奇跡』、インターネットも『奇跡』です」

確かに、100年前には現在のITやサービスなどは一切存在しなかったのであり、それを夢想する人物すらいたのかどうか…。それでも、「奇跡」は起きたのだ。



さて、そのゲイツ氏の語る「奇跡のエネルギー」とは何なのか?

それは「原子力」である。早とちるなかれ、彼の言う原発は従来の技術とは一線を画するものであり、「奇跡の原発」なのである。

それが「進行波炉(TWR, Travelling Wave Reactor)」と呼ばれる次世代型の原子炉である。


2012年6月11日月曜日

園児の得意とする「マシュマロ・チャレンジ」


20本の「スパゲッティ(乾麺)」を使って、どれほど高い「塔」を作れるか?

制限時間は18分。細く折れやすいスパゲッティを「テープや紐」で丁寧に繋げながら、パズルのように高い高い塔へと仕立て上げてゆく。

そして、「マシュマロ」をその頂きに載せれば、見事完成。



子供の遊びのようなこのゲームは、「マシュマロ・チャレンジ」と呼ばれるものだ(考案者:ピーター・スキルマン氏)。

4人一組で行うことから、このゲームにより「チーム・ワーク」を学べるということで、企業の研修などでも盛んに取り入れられているのだという。


2012年6月10日日曜日

古代ペルシャ王の遺した「キュロスの円筒印章」


「世界の人々のほとんどは、『イランの素晴らしさ』を知りません。皆、イスラム革命(1979)後の30年間のイランだけを見て、判断してしまっているのです」

ノーベル平和賞(2003)を受賞しているイラン人弁護士、シリン・エバディ氏は、そう語る。

「核兵器を製造しようとしているテロリスト予備軍」というイランの烙印は、欧米諸国により押されたものであり、それゆえに、そればかりを鵜呑みにしていては、現実を誤認してしまうというのである。

当のイラン人たちは、こう口を揃える。「私たちはアラブ人ではないし、ましてや、テロリストでもない」。イラン人の中には、自分たちが「ペルシャ人の末裔である」と強く意識している人々も少なくないという。



我々が「イラン」という国を少しでも正しく認識しようと思うのであれば、同国の歴史を多少なりとも知る必要がある。

歴史的に、イランは「ペルシャ」であり、イランが正式名称となったのは20世紀に入って以降、つい最近の話である。

この国には、古代のペルシャ帝国から脈々と受け継がれてきた「2500年にも及ぶ長大な歴史」が今も息づいているのだ。



ここに、その全ての歴史を見守り続けていた遺物がある。それは、イランの国宝とも讃えられる「キュロスの円筒印章」である。

ラグビー・ボール大の、この日干し粘土づくりの物体の表面には、びっしりと楔形文字が刻まれており、そこには驚くべき知見が記されている。進化したはずの現代社会においても、実現できていない理想が…。

Source: google.com via Reza on Pinterest


壁画に描かれているような暮らし。サン族。


「壁画に描かれているような生活」をする人々がいる。

裸足で大地に立ち、弓矢を駆使して動物を狩る。アフリカ大陸南部に暮らす「サン族」は、何千年となく、そうやって生きてきた。

※かつて「ブッシュマン」と呼ばれた人々で、ボツワナ・ナミビア・南アフリカにまたがる「カラハリ砂漠」に住む。

Source: eishsa.co.za via Alwyn on Pinterest



「狩猟」は男たちの仕事であるが、ここのところ芳しくない。獲物が獲れない日々が、3週間以上も続いているのだ。

今日も4人の男たちは、フラフラと猟に出かける。しかし、どこにも気負った風は見られない。わりとノンキに小鳥とりの罠をしかけたり、道端の植物の根っこをひっくり返したり…。



一人の男が樹木の中にハチの巣を見つけると、にわかに男たちは気色ばんだ。

さっそく自前の小枝で火を起こすと、その煙でハチを燻り出す。そして、男が木の中に手を突っ込むと…、甘~い甘~いハチミツの御出ましだ。

思ったよりも量が少なかったためか、彼らはその場でペロリと全部食べてしまった。



善意の産物、アイ・ライター。


「If not now, then when?(今じゃなかったら、いつ?)

If not me, then who?(自分じゃなかったら、誰が?)」



彼はこう心に決めて、手に余るほどの大仕事を、安請け合いしてしまった。

彼の名は「ミック・エベリング」。彼が引き受けた大仕事は、全身不随となった人物(テンプト)とコミュニケーションをとること。



ところが困ったことに、ミックには、その手の知識はサッパリなかった。

全身不随となって眼球しか動かせなくなった人物と、いったいどうやったらコミュニケーションがとれるというのか?

「ホーキング博士のような、ああいう装置があればいいのか?」

※のちに、その装置が「庶民の手」に入るものではないということが判る。


2012年6月8日金曜日

DNAの修復能力は放射線を凌げるのか?


およそ100年前、ロシアの医学者アニチコフは、「ウサギに卵を食べさせる実験」を行った。

その結果、卵を食べたウサギの「コレステロール値」は急上昇。



なるほど、とアニチコフは頷いた。

「卵を食べると、コレステロール値は上がるのだ」と。

その後、アニチコフの実験結果は世界に知られるところとなり、「卵を食べると、コレステロール値が上がる」という説は、世界に普(あまね)く広まった。



しかしある時、ある人は「その常識」に素朴な疑問を抱いた。

「ウサギって、もともと卵を食べるっけ?」

彼の疑問通り、ウサギはもともと卵を食べる動物ではない。「それならば、もともと卵を食べる動物が卵を食べても、コレステロール値は上がらないのではないか?」

シェール・オイルは掘るしかない?


アメリカの小さな田舎町を目掛けて、全米から人々が集まっているという。

その理由は単純だ。この小さな町「ウイリストン」には、大量の『仕事』が溢れているのだ。



慢性疾患のような失業率の高止まりに頭を抱えるアメリカにあって、このノースダコタ州の田舎町に限って、失業率は1%を切っている。

※全米平均の失業率8.1%に対して、ノースダコタ州の失業率は3.7%。

おまけに、その給料は『高額』だ。労働者レベルの平均年収は8万ドル(640万円)。重要な仕事となれば、年収は15万ドル(1,200万円)を超えていく。




その仕事とは?

シェール・オイルと呼ばれる、新しいタイプの『石油堀り』である。


世界最大のホーム・ビデオから見えてくるもの


その子は一歳になった頃、「水(water)」のことを「ガガ(gaga)」と呼び始めた。そしてそのガガは、およそ半年をかけて「ウォーター(ワラ)」までたどり着く。

もちろん、その子の覚えた言葉はそれだけではない。生後9ヶ月目頃から言葉らしきモノを発し始めた彼は、およそ2年間で503語をマスターした。

父親のデブ・ロイは、「うちの子、賢いだろ?」と言うのだが、その返答には窮せざるを得ない。というのも、自分の子供の覚えた言葉を、彼ほどマメに記録している親もマレであろうから…。




デブ・ロイのマメさは、度を超している。なぜなら、彼のホーム・ビデオは「世界最大(自称)」である。

彼の家のすべての部屋(赤ちゃんの部屋、キッチン、リビング、玄関…)の天井には、カメラとマイクが設置され、赤ちゃんのみならず、パパ・ママ・ベビーシッター等の言動が24時間体制で、すべて録画・録音されている。

最初の男の子が生まれてから3年間、延べ25万時間もの音声・映像がすべて記録されているのだ。その膨大な容量は、およそ200テラ・バイト。

※テラ・バイト(TB)は、ギガ・バイト(GB)の1,000倍。

2012年6月7日木曜日

YouTubeの描く「思いもよらぬ」未来


「ヨセミテの山熊」と呼ばれる無骨そうな大男は、大自然の大空にかかった壮大な二重の虹に、いたく感銘を受けたようである。

彼はその感動を記録しておきたいと思ったのであろうか、そして、その感動を誰かと分かち合いたいと思ったのであろうか。

その壮麗な虹の動画は、YouTubeにアップされた。




しかし、手振れの激しいその動画は、「Oh, my God. Oh, my God! Wooo! Ohhhhh, wowww!」と意味不明の感嘆が続くだけ。

当然、その動画へのアクセスは「梨のつぶて」であり、アクセス数を示すグラフは地を這うようなゼロ行進が続いていた。もっとも、ヨセミテの山男はそんなアクセス数には無関心であっただろうが…。

ところが、その後、思いもよらぬ展開へ…。


2012年6月6日水曜日

「罰」は社会を変えるのか?


「違反行為を少なくするには、『罰』を与えればいいのか?」

この問いに対して、イスラエルにある10の「保育園」で行われた実験は、皮肉な結果を示している。



実験のターゲットとなったのは、保育園の「お迎えの時間」である。

保育園が終わって、親が子供を迎えに来る時、保育園側が困るのは、親たちが決まった時間に現れないことであった。ひとつの保育園あたり、平均して「週に6~10人」の親たちが、お迎えの時間に「遅刻」していた。




「どうしたら、親たちの遅刻を減らせるのか?」

「そうだ!『罰金』をとろう」

そういうことになって、「10分遅れたら、10シェケル(約200円)の罰金」という『罰』を、遅刻した親たちに課すことになった。



さて、その結果は…?

2012年6月5日火曜日

失敗を恐れさせる「不可能のカベ」


今から100年以上前、「飛行機」は存在していなかった時代に、ケルヴィン卿はこう断言した。

「空気よりも重い飛行機械は、不可能である(1895)」

そして、同時代の空気力学の専門家たちも、こう考えていた。

「1,000万年後だったら、空飛ぶ機械も作れるかもしれない(1903)」



「自我」を超えた先には…。


「自我」を超越するために、人類は多くの方法を見つけ出してきた。

それは瞑想であったり、幻覚剤であったり、一晩中踊り狂うこと(レイブ)であったり…。

いかなる方法であれ、ある種の意識変容を体験した人々は、似たような感想を口にする。「高められた」「高揚した」などなど、上昇するような感覚がそこにはあるのである。



自我を超越するためには、さまざまな入口があるようだが、その中でも一風変わった入口は「戦争である」と、ジョナサン・ハイト氏は考える。

「戦争ほど人々を一つにするものはない」