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2012年6月21日木曜日

人間のDNAは「火星」からやって来たのか?


宇宙空間広しと言えども、「火星」ほどに人間味のある星はないだろう。

「火星人」を夢想した人類は、さまざまなストーリーをこの星に見い出してきたのであるから。



今から130年以上も前、1877年に火星が地球に大接近した時、当時の望遠鏡でもその表面の模様までがよく見えた。

※地球の公転スピード(365日)は火星のそれ(687日)の2倍近くあるため、およそ2年に一回、地球は火星を追い越して行く。その追い越す時こそ、火星が地球に大接近する時であり、その時には火星が7倍にも巨大に見える(最遠時比較)。



その時に見えた火星の縞模様をスキアパレッリは「溝(Canali:イタリア語)」と記した。

ところが、その自然造形を意味したであろう「溝(Canali)」は、英語の「運河(Canal)」と酷似していたため、早トチリな人々はそれが火星人の造った「人工の運河」であると囃し立てた。

しかも、その運河はとてつもなく巨大である。万里の長城どころの比ではない。星全体を縦横無尽に駆け巡っているのである。

「火星人はなんと進んだ文明を持つことよ…」


2012年6月17日日曜日

遺伝子がDNAに存在することに気づいた「オズワルド・エイブリー」


ネズミ。

研究所の暗い廊下を行き来する年老いたネズミのような影。

その影が「オズワルド・エイブリー」であった。



そんな彼こそが、遺伝子は「DNA」にあることを初めて世に示した人物である。

彼が研究を始めたのは36歳の頃であり、研究者としては「かなり遅いスタート」であったのに加え、遺伝子の本体がDNAにあると見極めた時には60歳を過ぎていた。

生涯にわたって小さなアパートと研究所を規則正しく行き来していたというエイブリーは、外出嫌いであり、研究所のあったニューヨークから外に出たことはほとんどなかったという。

※「」内は著書「生物と無生物のあいだ(福岡伸一)」からの抜粋。以下同。




DNAの2重ラセンの撮影に成功した「ロザリンド・フランクリン」


「ダーク・レディー」

「暗い女性研究者」と呼ばれていた「ロザリンド・フランクリン」。

しかし、そう呼んだのは彼女と慢性的な「冷戦関係」にあったボスである。それゆえ、本当に彼女が陰湿であったかどうかは定かではない。




いや、むしろ「優秀すぎた」のであろう。

幼少の頃から「最高の教育」を受けた彼女は、名門ケンブリッジ大学に難なく進学。成績は常にトップクラスで博士号を修得。

その後、ロンドン大学(キングズ・カレッジ)の研究所に入る彼女であるが、この研究所のボス「ウィルキンズ」と馬が合わず、「事あるごとに衝突していた」。



曖昧さや一切の妥協を許さないフランクリンに、ホトホト手を焼いたボス・ウィルキンズ。それゆえ、陰で彼女を「ダーク・レディー(暗い女性研究者)」と呼んだのだ。

フランクリンはフランクリンで、ウィルキンズがいつもボス面をするのが気に入らない。彼女には自身が「独立した研究者」だという自負があったのだ。何よりも彼女の専門とした「X線結晶学」にトンと疎(うと)いのがウィルキンズだったのだ。